さすらひの暇人の気まぐれ旅日記

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zoom RSS 右腓骨骨折 -その2-

<<   作成日時 : 2017/03/13 01:21   >>

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 マズイ事になったと思った。駐車場まではまだ2.6kmある。いつもなら30、40分もあれば着く距離だが、足を折ったこの状態で果たして辿り着けるのか。しかもここは人がほとんど通らない登山道だ。助けを乞うにもこの後にここを通る人はおそらくいないだろう。頼れるのは自分だけなのだ。気楽なトレッキングが一転、突然人生最大のピンチを迎えることとなってしまった。
 まずは最悪の事態を想定してスマホが繋がるかを確認したが、予想通り圏外だった。次に身体を起こし立ち上がることが出来るかを試した。やはり立ち上がろうとすると右足首を激痛が襲う。右足に体重を掛けられなかったので、持ち歩いているトレッキングポール2本を支えにする事で辛うじて立つことが出来た。しかし、体を移動させようとほんの少し足を動かすだけで激痛が走る。あまりの激痛に視界が狭まりはじめ、意識が遠退いていく。こんな時に参ったなと思いつつここのままでは完全に気を失いかねないと考えて、一旦その場で横たわり、落ち着くのを待つ事にした。事態は想像以上に深刻だと思った。
 暫く横になっていると視界が戻ってきて意識がはっきりしてきた。幸いにしてフル装備のため、どうしようもなくなった時はここでビバークし、通りかかる人を捕まえるという手段は取れる。が、これは最終手段である。立ち上がるとまた意識が遠退くかもしれないと思ったが、このままではじっとしていても時間が過ぎていくだけだ。僕は覚悟を決め、今時流行らない僕が最も嫌う言葉の気合と根性で、もう一度立ち上がり激痛に耐えながら駐車場に向かい歩き出した。ここからおよそ4時間、わずか数十メートル先が遥か彼方に思えるぐらい、きつい時間が続く事となる。ほぼ下り終えているとはいえ、まだ道中には数カ所沢を横切るために降りて登る階段があった。健康体であれば何という事もない沢越えなのだが、ここは何十分もかかって地べたを這うように通過した。もちろん途中転んだのは1度や2度ではない。激闘の末にようやく先が見えてきた時にはとても安堵した事を昨日のことのように思い出される。
 その後、自力でなんとか帰宅、痛みが酷かったのでタクシーですぐに救急対応の病院に直行。レントゲンを撮って右足首の骨折が確認され応急手当と痛み止めを処方してもらう。翌日に正確な診察を受けて、入院、手術をする事になってしまった。
 今回山は常に危険と隣り合わせであることを改めて実感した。そして怪我をするとそれが大事になり易いという事もよく実感した。山は歩くだけだから運動としてのハードルは低い。だがちょっとした油断が僕のような事態にまでなってしまう。また、油断ばかりではなく、落石など避けようのない事態もありうるように思う。実際、軽自動ぐらいの岩が目の前を横切って行った経験もある。こればかりは自分ではどうしようもないものなのだが、そういうリスクがあるところに自分が居るのだと常に意識しておく事には意味があるように思う。やはり山歩きは気軽に人を誘うことは出来ない運動だと感じる今日この頃だ。

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